ベンジャミン・グレアム:バリュー投資の原点
「市場は短期的には人気投票、長期的には価値測定機だ」
ベンジャミン・グレアムは“バリュー投資”の概念を確立し、後にウォーレン・バフェットら数多くの名投資家に影響を与えた人物です。1930年代から証券分析の教科書を確立し、リスクを抑えた堅実な投資手法を体系化しました。
グレアムのプロフィール
年代 | 出来事 |
---|---|
1894年 | 英国ロンドンに生まれる(後に渡米) |
1928年 | コロンビア大学で証券分析を講義開始 |
1934年 | 著書『証券分析』を発表(共著:ドッド) |
1949年 | 『賢明なる投資家』を出版 |
1950年代 | 若き日のバフェットが教え子となる |
1894年
英国ロンドンに生まれる(後に渡米)
1928年
コロンビア大学で証券分析を講義開始
1934年
著書『証券分析』を発表(共著:ドッド)
1949年
『賢明なる投資家』を出版
1950年代
若き日のバフェットが教え子となる
投資哲学:バリュー投資の核とは?
- 安全域(マージン・オブ・セーフティ)を持つ投資
- 株価が内在価値を大きく下回る時のみ買う
- 感情より論理で判断
- 市場の“気まぐれ”に振り回されない
- 投資と投機を明確に区別する
- 将来の価値に基づいた判断が投資、それ以外は投機
グレアムの投資基準(定量重視)
評価指標 | 理想水準 | 理由 |
---|---|---|
PER(株価収益率) | 15以下 | 利益に対して株価が高すぎないかを見る |
PBR(純資産倍率) | 1.5以下 | 資産と比べて株価が妥当か確認する |
財務健全性 | 流動比率 200%以上 | 短期的な支払い能力の裏付け |
配当実績 | 継続していること | 長期的な企業安定性の判断材料 |
PER(株価収益率)
15以下
利益に対して株価が高すぎないかを見る
PBR(純資産倍率)
1.5以下
資産と比べて株価が妥当か確認する
財務健全性
流動比率 200%以上
短期的な支払い能力の裏付け
配当実績
継続していること
長期的な企業安定性の判断材料
実際の投資例(グレアム式の典型)
銘柄例 | 投資理由 |
---|---|
GEICO(後にバフェットが買収) | 一時的な低迷からの復活を期待したバリュー株 |
鉄道・製造業の地味な企業群 | 資産価値が株価よりも明らかに上回っていた |
GEICO(後にバフェットが買収)
一時的な低迷からの復活を期待したバリュー株
鉄道・製造業の地味な企業群
資産価値が株価よりも明らかに上回っていた
チェックリスト:グレアム流投資法
- 現在の株価は利益や資産と比べて割安か?
- PERとPBRの水準は低いか?
- 過去10年、黒字経営を継続しているか?
- 財務は安定しているか(借入少なめ)?
- 将来の成長よりも“現在の価値”に着目しているか?
誤解と注意点
- 「バリュー=地味な株」とは限らない → 内在価値が高ければOK
- グレアム式は成長を軽視しがち → 現代では“成長性+割安”の視点も重要
- 安すぎる株はリスクがある → 安全域を“確認した上で”判断する
まとめ:グレアムから何を学ぶべきか?
ベンジャミン・グレアムは、“株価と価値のズレ”を徹底的に追求した投資の教師です。リスクを最小限に抑えながら、確実に利益を得るという姿勢は、今も堅実な投資法の基本です。
「最も成功する投資は、常に最も合理的なものだ」
短期的なノイズではなく、長期的な企業の本質を見る。それがグレアム流バリュー投資の核心です。