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ベンジャミン・グレアムとは?バフェットの師が説く本当のバリュー投資【2025年版】

ベンジャミン・グレアム:バリュー投資の原点

「市場は短期的には人気投票、長期的には価値測定機だ」

ベンジャミン・グレアムは“バリュー投資”の概念を確立し、後にウォーレン・バフェットら数多くの名投資家に影響を与えた人物です。1930年代から証券分析の教科書を確立し、リスクを抑えた堅実な投資手法を体系化しました。


グレアムのプロフィール

1894年
英国ロンドンに生まれる(後に渡米)
1928年
コロンビア大学で証券分析を講義開始
1934年
著書『証券分析』を発表(共著:ドッド)
1949年
『賢明なる投資家』を出版
1950年代
若き日のバフェットが教え子となる

投資哲学:バリュー投資の核とは?

  • 安全域(マージン・オブ・セーフティ)を持つ投資
    • 株価が内在価値を大きく下回る時のみ買う
  • 感情より論理で判断
    • 市場の“気まぐれ”に振り回されない
  • 投資と投機を明確に区別する
    • 将来の価値に基づいた判断が投資、それ以外は投機

グレアムの投資基準(定量重視)

PER(株価収益率)
15以下
利益に対して株価が高すぎないかを見る
PBR(純資産倍率)
1.5以下
資産と比べて株価が妥当か確認する
財務健全性
流動比率 200%以上
短期的な支払い能力の裏付け
配当実績
継続していること
長期的な企業安定性の判断材料

実際の投資例(グレアム式の典型)

GEICO(後にバフェットが買収)
一時的な低迷からの復活を期待したバリュー株
鉄道・製造業の地味な企業群
資産価値が株価よりも明らかに上回っていた

チェックリスト:グレアム流投資法

  • 現在の株価は利益や資産と比べて割安か?
  • PERとPBRの水準は低いか?
  • 過去10年、黒字経営を継続しているか?
  • 財務は安定しているか(借入少なめ)?
  • 将来の成長よりも“現在の価値”に着目しているか?

誤解と注意点

  • 「バリュー=地味な株」とは限らない → 内在価値が高ければOK
  • グレアム式は成長を軽視しがち → 現代では“成長性+割安”の視点も重要
  • 安すぎる株はリスクがある → 安全域を“確認した上で”判断する

まとめ:グレアムから何を学ぶべきか?

ベンジャミン・グレアムは、“株価と価値のズレ”を徹底的に追求した投資の教師です。リスクを最小限に抑えながら、確実に利益を得るという姿勢は、今も堅実な投資法の基本です。

「最も成功する投資は、常に最も合理的なものだ」

短期的なノイズではなく、長期的な企業の本質を見る。それがグレアム流バリュー投資の核心です。