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ピーター・リンチとは?成長株投資の伝説と手法を解説【2025年版】

ピーター・リンチの成長株投資術とは?

「身の回りを見渡せば、次の10倍株がそこにある。」

ピーター・リンチは、米フィデリティ社のマゼラン・ファンドを13年間運用し、年平均29%という驚異的なリターンを記録した伝説的ファンドマネージャーです。彼のスタイルは、現場での実感と徹底的な調査に基づいた“成長株投資”。初心者でも真似できる投資法として、今も世界中の投資家に影響を与えています。


プロフィールと略歴

1944年
アメリカ・マサチューセッツ州に生まれる
1969年
フィデリティに入社、調査部門で頭角を現す
1977年
マゼラン・ファンドの運用を開始
1990年
引退(13年間で資産は18倍に成長)
引退後
著書『One Up on Wall Street』『Beating the Street』が世界的ベストセラーに

投資スタイル:ピーター・リンチの哲学

  • 日常生活こそ最高の情報源
    • ショッピングモールや自宅の冷蔵庫からアイデアを探す
  • 成長株に注目
    • 将来大きく伸びる業種・企業に初期から投資
  • ボトムアップ型の企業分析
    • マクロ経済よりも個別企業の収益性・ビジネスに着目
  • PER(株価収益率)を重要視
    • 利益成長と株価のバランスで割安度を判断

投資基準と企業選定ポイント

売上・利益成長率
毎年20%以上が理想
成長性の高さがリターンに直結する
利益率
高い営業利益率が望ましい
安定した収益構造の証拠
財務体質
借金が少なくキャッシュが豊富
長期成長に耐える体力がある
商品やサービスの魅力
実際に「買いたくなるか」
生活者目線を重視

実際の投資銘柄(一例)

ダンキンドーナツ
飲食
店舗展開力とブランド力の成長性
フォード
自動車
一時的な業績不振からの回復期待
L Brands(旧:Limited)
小売
女性向けブランドの拡張性

初心者へのアドバイス:チェックリスト

  • 自分がよく知っている商品・サービスの企業か?
  • 毎年しっかり成長しているか?(売上・利益)
  • 株価がすでに“人気化”しすぎていないか?(PERチェック)
  • 買った理由を1行で説明できるか?
  • 長期で持てる根拠があるか?(競争力・業界動向)

よくある誤解と注意点

  • 「何でも身の回りで見つければいい」→企業分析と財務確認は必須
  • 「PERが低ければ買い」→成長性が伴わなければ“罠株”
  • 「派手な株が好き」→むしろ“地味な優良株”が多い

まとめ:リンチ流の本質とは?

ピーター・リンチは「投資は知識より観察力」と説きます。自分の目と足で確かめ、納得できた企業にだけ投資する姿勢は、今日の個人投資家にも強い武器になります。

「株を買うのは、未来の利益を買うことだ」

難しい分析よりも、“なぜその会社がこれから伸びるのか?”を自分の言葉で語れるか。それこそがリンチ流の実践です。